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研究発表のお知らせ(11/5 表象文化論学会)

11月5日に表象文化論学会の第11回研究発表集会で、「エリー・デューリングの映像論:トポロジカルな同時性とパースペクティブ」という発表をすることになりました。

www.repre.org

ひとつ前の記事はその予告編であるわけですが、ついでにこの発表の申し込みに際して作成したアブストラクトを公表しておきます。600字に満たないものなのですが、来られるかどうかお考えのかたは参考になさってください。

 

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 本発表は、近年「プロトタイプ論」によって注目されているフランスの哲学者、エリー・デューリング(Elie During)の映像論を取り上げる。彼の映像にまつわる論考がまとめられたFaux raccords: La coexistence des images (Actes Sud, 2010)は、映像空間をひとつの仮想的な世界として捉え、そこで繰り広げられるイメージの共存と連鎖を分析することで時間、空間というカテゴリーを更新することを狙った書物である。これは、ジル・ドゥルーズ『シネマ』の問題設定を引き受けた、ドゥルーズ以降最新にして最初の主要な試みであると言えるだろう。とはいえ、Faux raccordsは論文集であり、それぞれの論文でなされる個別の映像作品についての考察の背景にある時間、空間論を統一的に把握することは難しい。そこで本発表では、「トポロジー」、「パースペクティブ」、「知覚と記憶の同時性」、「虚構−芸術」などの、本書を通して重要な機能を持ついくつかの概念を取り上げ、それらの関係を仮設的に規定することでデューリングの映像論から構築しうる時空的なシステムを提示し、その帰結としての「プロトタイプ」の機能を明確にすることを試みる。デューリングの映像論は、メディア論や文化論に還元され得ない映像が持つ哲学的な射程を再検討するきっかけをわれわれに与えてくれるだろう。

 

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